マイナスモールドの開口
以前にコメント欄でumezawaさんに「マイナスモールドの開口はどのようにしてますか?」と質問がありましたので、今回説明させていただきます。
私はブログのコメント欄に書き込んでくれた質問には全て答えていくつもりなので、分かりにくいことがあれば、どしどし質問してくださいね。
開口は大きいものの開口は簡単です。なぜなら、刃を90度方向から2回入れられるので、簡単に角が作れるから。
しかし、マイナスモールドの場合、1方向からしか刃を入れられないので、難易度が上がります。

答えを先に言うと、カンナ掛けして角を作っちゃえばいいんです。
では、解説します。
まず、使う道具ですが、
①アートナイフ(NTカッターの刃が30度のもの)

②ラインチゼル0.2mmか0.15mm(以前は0.15を使っていたが、折れやすいので、最近は0.2mm)

画像の上のものがラインチゼル。0.3mmが元々付いていますが、0.3mmだと太すぎてうまくいかないので、替刃を購入してください。
③ハセガワトライツールのモデリング チゼル 1 (模型用ノミ平細)


これは細い平の彫刻刀なら何でも良いです。これを使ってうすうす攻撃するわけです。
製作です。
まずはマイナスモールドを入れたい場所に印をいれます。私はシャープペンを使っています。
最近のシャープペンは書くごとにシャープの先が尖っていく「クルトガ」というすぐれものがあります。
クルトガがこちら

これで印を入れます。

次にその印に沿って、平の彫刻刀をぶっ刺します。この時、全てを開口する必要はなく、刃が入るところまでで十分です。

これを裏から見ると、彫刻刀が刺さった部分に白いスジが出来ます。
USBスコープ画像

見えますでしょうか?この白いスジに沿って、平の彫刻刀でプラ厚の半分くらいになるようにうすうす攻撃。最初は彫る感じで良いですが、最後はカンナ掛けの要領でなるべく平らになるように。

USBスコープ画像

次に表に返して、先程彫刻刀を刺した部分に沿ってラインチゼルで開口します。

注意!!このときもう一度彫刻刀をぶっさしたくなりますが、刺してしまうと彫刻刀が全て貫通してデカイ穴があいてしまうので、気をつけて下さい。開口には開口に適した道具(ラインチゼル)を使いましょう。
開口した部分の拡大画像(USBスコープ画像!!)

このままですと、よく見て欲しいのですが、開口した部分はササクレが残っているし、拡大すると角が綺麗な長方形にはなっていません。
拡大しても綺麗な長方形に見えるように開口していきます。
まず、角になるべき位置までアートナイフを入れます。角の部分まで刃先が入ったら、カンナ掛けの要領で刃先を横にスライドさせます。この時、「クンッ」って音がします。この「クンッ」って音が角が出来た証拠だと私は思っています。
これを絵で説明すると

同じように4つの角をカンナ掛けの要領で角を作っていきます。
すると、こんな感じで開口できます(表から見たもの)。
USBスコープ画像

これを裏から見ると
USBスコープ画像

こんな感じで裏は完全には綺麗になっていないので、最後にもう一度裏から同じように4つ角を作るようにアートナイフを入れます。
裏から見ても綺麗な長方形になっていることが非常に重要です。表から見ても、裏から見ても綺麗な長方形になっていれば、長方形の形に平行に開口してることになります。
完成したマイナスモールドを表から見ると
USBスコープ画像

裏から見ると
USBスコープ画像

こんな感じになっていれば、塗装後も綺麗なマイナスモールドになっているはずです。
試してみてください~
今回やっとUSBスコープが大活躍しました~(実はこのために購入したのに忘れてました・・・)
ただし、めっちゃ拡大するので、あんまり綺麗ではないですが、拡大してなければ意外と綺麗に仕上がっています~
ではでは。
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